外国人雇用に関連する法令|外国人雇用のための外国人求人マスター

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外国人雇用に関連する法令とガイドライン

外国人を採用する場合でも、従うべき法令は、基本的には通常の労働関係の法律と同じです。
しかし外国人特有の気を付けるべき点として、ビザに代表されるような入管に関する法律と、雇用対策法における外国人の雇用状況届けなどが挙げられますので、おさえておきましょう。
また後半では、厚労省が公表しているガイドラインに沿って、採用から退職までのプロセスごとに、雇用主が留意すべきことを説明していきます。

1.関連する法律

(1)出入国管理及び難民認定法(入管法)
外国人が日本にとどまる場合、入管法に定める在留資格(ビザ)が必要になります。ビザについてはこちらのコーナーで詳しく説明しますが、種別によって就労してよい場合とそうでない場合がありますので、採用にあたっては特に注意が必要です。

自由に就労できる:永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者
在留資格範囲内での就労ができる:外交、公用、教授、芸術など18種類
許可の内容により就労が決まる:特定活動
就労できない:文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在
※ただし留学生や家族帯同などは、事前に許可を得ることで、アルバイトなどが認められます。

(2)雇用対策法
雇用対策法では、外国人を採用する時と、その外国人が離職した時に、ハローワークに「外国人雇用状況届」を提出することが義務付けられています。届出を行わないと罰金の対象となるので注意しましょう。外国人雇用状況届についてはこちらのコーナーで詳しく説明します。
また外国人が能力を十分に発揮して、職場で問題なく働けるための取り組みを行うよう「指針」も発表されています。これに対して罰則はありませんが、大切な外国人材を活用する施策は雇用する側にとっても有益なことです。具体的にどのようなことに取り組むかは後述します。

以上の2つが外国人採用に特有な関連法令になりますが、労働に関する法律は日本人と同じものが外国人も適用されます。このため、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、労働契約法、雇用保険法、厚生年金保険法など、日本人の労働者に関係するすべての法律が、外国人労働者にも適用されます。

2.改正入管法についての注意点(2019年版)

2019年4月、入管法が改正されました。
法改正の背景には人口減少に伴う日本の人手不足があり、それを解消する切り札として外国人材を活用したいという事情があります。今回の改正では就労可能な新しい在留資格として「特定技能」を創設したことがポイントです。

3.採用プロセスごとに見る対応

外国人材が安心して就労し活躍するためのガイドラインとして「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」が厚生労働省より公表されています。これに沿って雇用主が気を付けるべきポイントを見ていきましょう。
参考リンク:https://www.mhlw.go.jp/content/000601382.pdf 外国人労働者の雇用管理の改善及び再就職支援の努力義務について

  • (1)募集~採用
    外国人を雇用する際には、以下の内容を書面(またはメール)で明示します。その際には外国人の母国語か簡単な日本語を使うようにします。採用に関しては国籍を理由とした差別は厳禁です。
  • ・業務内容
  • ・賃金
  • ・労働時間
  • ・就業場所
  • ・労働契約の期間
  • ・労働・社会尾見関係法令の適用に関すること(国外居住の場合)
  • ・渡航費用の負担
  • ・住居の確保 など

(2)労働条件
労働契約を書面やメールなどの形で明示します。賃金や労働時間などの条件だけでなく、税金、保険、控除などの制度についても、外国人が理解できるように母国語か平易な日本語で明示し、実際の収入がいくらなのかが分かるようにする必要があります。
採用後は、外国人社員の家族の住所や連絡先を把握しましょう。またパスポートを雇用主が保管することは禁じられており、お金や物を預かった場合は退職・出国時に返却する必要があります。

(3)労働安全衛生
社員に対する安全衛生教育は非常に重要ですが、特に母国語の違う外国人に対しては、通訳・翻訳を介したり、イラストを多用するなどして、理解しやすい方法を行うことが肝心です。
また日本人従業員と同じように健康診断やメンタルヘルスの把握をする必要があります。女性の場合、日本人と同じように母性保護の対応をします。

(4)労働・社会保険
外国人を雇用するときには、保険(雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険)に関する法律の内容とその請求手続きについて説明します。行政機関で多言語対応の書類があるので活用すると良いでしょう。
失業保険や労災時の給付金、傷病手当金、年金などは、外国人にとって手続きが煩雑かもしれませんが、貴重な手当です。雇用する側は、働く人の権利としての給付金が受け取れるようサポートしましょう。

(5)人事・生活支援・教育・福利厚生
日本人と同じ福利が受けられることが基本的な考え方ですが、特に言語や文化の違いなどから、思うようにことが進まなかったり、コミュニケーションで苦労するなどといったことが考えられます。
外国人を雇用する場合は、あらゆる制度やサービスが、外国人の視点で使えるものになっているか、分かりづらい点がないかを配慮する必要があります。
また外国人特有の手続き事としては、在留手続きがあります。在留期間が終了すると雇用関係は終了し、帰国のための支援を行います。在留資格を変更したり更新する場合には手続きが必要ですが、これを誰が行うのか(外国人本人、会社の人事担当者、外部の専門家など)もあらかめ明確にしておきます。

(6)解雇・再就職の援助
日本人と同じく、よほど合理的な理由がない限りは解雇や雇止めは避けるべきですが、やむを得ない事情で行う場合は、関連企業のあっせんなど、再就職支援を行うように努めます。