1.日本における留学生受入政策
日本では第二次世界大戦後まもなく、当時の文部省が「国費外国人留学制度」を立ち上げました。対象は主にアジア諸国で、目的は国際文化交流や友好親善の促進、外国の人材育成に貢献するといった意味合いが色濃くありました。
1980年代には、世界における日本の立場や役割が重要になる一方で、日本と各国との間に経済摩擦が生じていたことも背景にあり、経済界を中心に人的な国際交流の必要性が問われ始めました。そこで「留学生10万人計画」と呼ばれる積極的な留学生政策が展開されます。大学の受け入れ体制強化、日本語教育推進などが実施されました。
2000年代以降は、IT分野をはじめとする様々な分野での人材不足により、高度人材の獲得への模索が始まりました。内閣官房長官のもとで「高度人材受入会議」が発足し、2008年には「留学生30万人計画」、2009年に「外国人高度人材受入政策」が発表されました。そこから出入国管理で、高度人材外国人の受入促進のためのポイント制の導入が始まります。
「10万人計画」の時代と異なり、日本の文化を積極的に発信して来日前のリクルートを国策として行い、卒業後も日本に定着し日本企業で活躍してもらうために、産学官が連携して事業が進められています。2019年度には31万人となり、当初の目標を達成しています。